報告が遅くなりましたが、、、
2月11日(土)に、こちらでも紹介された修復記念特別公開『マリア十五玄義図』展
に足を運び、修復記念特別講演会を拝聴しました。
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/buhin/060201.htm
<講演会は>
林温氏(慶応義塾大学教授)「日本絵画史から見た『聖母子十五玄義図』」
岡岩太郎氏(岡墨光堂取締役社長)「『聖母子十五玄義図』の修復」
の2本立てでした。
林氏からは、「マリア十五玄義図」の各部の図像の説明とともに、この図が
西洋画の技法を学んだ日本人の手によるであろうこと等のお話がありました。
次に、この図の修復を手がけた岡墨光堂の岡氏からお話がありました。約2年
にわたる事前調査の後、平成16年7月から約9ヶ月間修復作業が行なわれた
そうです。図にどのような損傷があるかの確認、紙の材質・絵画手法・膠着材
等の調査を行ない、それらの調査結果に加えて、資料の歴史的意味(史料価値)
を勘案した上で修理方針・修理仕様を決定したとのこと。詳細はここでは省き
ますが、現在の修復の基本的な考え方として、現状維持の修理を行なうこと、
再修理が可能な修理を行なうこと、また経験や勘のみによって判断するのでは
なく“使える”科学技術は利用すること、修理の記録をとること、などがあ
るとのお話には、図書の修理にも通じるものがあると感じました。
<展示は>
講演会の最後に博物館の方が、展示について「モノ(マリア十五玄義図)がそ
れが使われていた当時の状況を伝えてくれている、そのことを感じてもらえ
れば」とおっしゃっていましたが、まさにそれが感じられる展示でした。当時
の状況とは、「江戸時代の厳しい弾圧をかいくぐって、ひっそりと祈りを捧げ
続けたキリシタン」(パンフレットより)がいたということです。そのことは、
この図が、屋根裏に補強材のように括り付けられた竹筒の中に巻かれた状態で
見つかったこと、表装部分の傷みがはげしいことから何度も出し入れされ巻き
直されたであろうこと、表装の傷んだ部分には単に古文書片を貼るなど素人の
手による修理のあとが見られること、などが物語ってくれています。
展示は2月26日まで。興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
2006年02月22日
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