2月25日(土)に慶應義塾大学三田キャンパスで開催されたタイトルの研究会に参加しました。
持ち帰ったレジュメと参考資料「書物の修復―柳瀬正夢『邯鄲夢枕』についての検証(絵画修復報告6」は回覧中です。
二つの発表のうち、報告2:図書資料・貴重書のためのカルテと実践 「高垣文庫における保存計画と保存カルテ」岡本幸治氏(アトリエ・ド・クレ)、芳川典子氏(成城大学メディアネットワークセンター)について簡単に内容を報告します。
成城大学経済研究所所蔵の高垣文庫中の洋書貴重書1000冊について一点、一点、製本や見返しの様式、劣化の状態、修復すべきかどうかなどを記入するカルテを作成した経験の報告でした。
カルテ作成の動機は当時経済研究所の図書室職員であった芳川さんが高垣文庫の内容を把握したいと考え、調査票のモデルを一ツ橋大学の社会科学西洋古典資料センターに求めたことがきっかけで、その関係者である岡本さんと共同でカルテのフォーマット作成から始めた。というものです。
岡本さんは製本家であるところから、本の傷みは西洋の製本様式に関係がありそうだ。という観点から製本様式などをカルテに記入しておくことに決定。現時点で破損していないものでも、製本様式などから破損の予測が立てられる。ひいてはカルテ作成は予防的資料保存になる。また、将来的に保存のための予算要求の際などの資料として役立てることが出来る。というお話でした。
大学図書館の事例でもあり、興味深く聞いてきました。しかし、芳川さんは現在は異動で高垣文庫の保存や管理を業務として行う立場には居ない。ということです。芳川さんと岡本さんの調査や業務への反映は継続されず、中断したままに置かれる可能性があるとのお話もあり、資料の保存というテーマでの図書館における位置づけはまだまだの感があると思わざるを得ません。
話は変わりますが、以前京大の図書館職員だった児玉さんはこの学会のメンバーで受付をしていらっしゃいました。お元気そうでした。
2006年03月01日
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