まずは貴重な資料がその価値とともに発見されて、よかったです。
ですが、写真を見ると、特に丈夫な製本でなかったためか、表紙が無残にとれています。
図書館で「・・・が発見!」というニュースがあると、「図書館にある本は全部整理されているから、目録を見ればわかるんじゃないの?」という疑問を抱く方も多いかと思いますが実は、資料そのものの存在や、資料の価値についてはまだまだ知られていないものも多いのが現実です。海外でもつい最近になって「ダンテの遺灰」が図書館で見つかったということも。
ここでいえる問題は。
・大学図書館では資料の遡及的な整理がまだまだ進んでいない
・資料の価値を見極めることのできる体制が充分でない
・そのために、資料の保存計画をたてるのに必要な情報が得にくい
または、資料の保存計画をたてて実行するための体制が充分でない
などなど。もちろん、資料の価値を見極める体制があったとしても、図書館で新たに発見される資料は後をたたないはずです。それだけ図書館の奥は深いので・・・
それにしても、同じ大学図書館で「・・・が発見!」といったニュースはとても喜ばしいと同時に、どの大学図書館でも似たような課題を抱えており、価値や存在が見過ごされて修理もされず放置されている資料があるということには考えさせられます。
ちょっと真面目にまとめてみました
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南日本新聞ニュースピックアップ[2006 09/08 07:22]古代ローマ農業書発見/鹿大付属図書館
農事暦、ブドウ栽培法…養蜂、牧畜も
鹿児島大学付属図書館で見つかった「ゲオーポニカ」全4冊
鹿児島大学付属図書館(鹿児島市、早川勝光館長)は7日、同図書館の蔵書を7月に整理していた際、古代ローマ、ギリシャの農業書を集めた書物「ゲオーポニカ」(1781年版)を発見した、と発表した。同図書館によると、同書の存在はロンドン大学図書館とアメリカ議会図書館でしか確認されておらず「貴重な発見」としている。
同大教育学部の伊藤正教授(西洋古代史)によると、ゲオーポニカは10世紀、ビザンチン(東ローマ)帝国の文人皇帝コンスタンチノス七世の命で編さんされており、今回見つかったのは18世紀にドイツで再版されたもの。全4冊で計約1500ページに20巻を収録する。
同書は少なくとも32人が執筆した農業書を集めたとみられ、気象や農事暦、ブドウやオリーブの栽培法、ワインの製造法、害虫対策や養蜂、牧畜など多岐にわたった内容が、ギリシャ語にラテン語訳付きで書かれている。
伊藤教授は「ローマ数字などから1781年にライプチヒで、I・N・ニクラスによって編さんされたものだと分かる。おそらくは本物。古代の農業の様子を知ることができる貴重な資料」と話した。
同図書館によると、同大農学部前身の鹿児島高等農林学校が1913(大正2)年に蔵書として購入した記録があるが、授業などに使用した形跡はないという。展示については、調査、分析を行った後、検討するという。
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資料の保存を考える場合、一概に「修理」して本の形に整えておかなければならないということはありません。保存箱に入れるとか、いろいろな方法があるでしょう。